大和市民活動センター

  1. HOME
  2. 最新情報
  3. 共育セミナー
  4. 第55回連続共育セミナー

★第55回連続共育セミナー

「NPO法改正 新寄附税制 会計基準」
  〜知っておきたいポイント〜

 

広報用チラシ(PDF)

2012年9月14日(金)18:30〜20:30に行われた連続共育セミナーの内容(概要)をお伝えします。

 

お話:手塚明美さん(ソーシャルコーディネートかながわ 理事)

 

会場:渋谷学習センター 305講習室

 

 

 

 

内容

2012年4月1日から改正NPO法が施行され、NPO法人に関する諸制度が大きく変わりました。
信頼される組織になるために、どのように活用すればよいのか、実務につながるポイントを学びました。

 

 

NPO法人は4万強、5万に手が届くくらいあります。特定非営利活動促進法ができてから12年経ち、社会情勢もそうとう変わってきました。経済的な価値から社会的な価値と言われて久しい時代ですが、それでもまだまだ経済的な価値の方が上回っているような認識を持たれていると思います。でもNPO法人、特定非営利活動法人というある種違うセクターが徐々に、みなさまの社会生活を向上させていることは現実のものとして、私だけではなくみなさまも肌で感じていると思います。それは、4万強ある団体さんが力を合わせることもあり、単独の事業もあり、そこそこにがんばっているということが、現れているのかなと思います。

 

国の方策でも東北の方の震災の支援は相当力が入っていまして、財源に関しては東北の方に大分行っております。そんな中で、NPOにも内閣府が予算を割いて、去年・今年と八十何億というお金をNPO に注いでいます。神奈川県にも4億強来ているのですが、その中の一部分を使って、みなさまのお手元に来ている冊子も「新しい公共支援事業」ということで作られているわけです。その4億というお金が有効に使われるといいなと思いつつ、2年間のみでもう終了ということになっております。内閣府も認証を手放してしまいましたし、地域密着型でNPOは生きていくということを、これは国の方針ですので、市民活動センターの支援というのが今後もますます求められる時代になってくるのではないかと感じています。

 

そんな中で法律が改正されました。「今までこれで良かったのになぜ?」というご質問を受けることがよくあります。シーズという団体が東京にあるのですが、「これはさすがにおかしいのでは」ということでは、国に陳情をしたりロビー活動をしたりとかで少しずつ是正はされてきています。ですが実際先に言ったように、ルールとして発表されているのでそれをまず知っていただけたらということで、今日ここで説明させていただいております。

 

まず1998年成立時、「第一条 この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする」というこの文章が使われ始めてから、市民が行う自由な社会貢献活動というものが日本の中で、法の下に認知されたいうことになります。「ボランティア活動」という言葉がいいか悪いかは別として、法律として載っているのはここだけです。ですので皆さんがNPOとして動いているということに対しての法の拠りどころはそこですよということですので、この文言に関しては当時、議員立法で作られていますけれども、シーズというNPO法人さんを初めとして1998年から遡ること10年、15年というスパンがあり、その結果としての言葉です。山岡義典さんという方が、当時この文言のために、そうとうに内閣府(当時の総務省)に通われたと聞いていますし、市民の力が相当入っている文章です。それを今年度改正するにあたり、下記の太字の部分を入れました。


「第一条 この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること並びに運営組織及び事業活動が適正であって公益の増進に資する特定非営利活動法人の認定に係る制度を設けること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする」(平成24年改正NPO法)。

 

認定NPO法人制度は国税庁の管轄でした。つまり税金をお安くするということでしたので、国税庁が認定の権限を握っていたんですけれども、それも所轄に出そうという話でここに入ってしまったんですね。ですので、内閣府認証の団体というのはなくなるわけです。神奈川県の場合は認証を行っているところは神奈川県、相模原市、横浜市、川崎市の4つです。政令市と県にどんどん降りています。全国みんなそうです。じゃあなぜ内閣府認証と、県認証なのかということでは、なぜ昔は内閣府認証になったのでしょうか。認証するところが神奈川県の中だけでやっているときは神奈川県認証ということだったんです。藤沢に1か所、大和に1か所事務所があったとします。主たる事務所が大和、従たる事務所が藤沢にあったたすると、両方とも神奈川県内なので神奈川県認証になりますね。ところが大和に主たる事務所、町田に従たる事務所があったとすると都道府県をまたがっていますよね。「どっちに出すのか」ということがあったので内閣府認証というのがあったのですね。今後そういうことはなくなって、主たる事務所の所轄をそのまま使うということになりましたので、大和に1か所、町田に1か所ある場合、今度は登記の関係と定款の関係の中で大和が主たる事務所ということになっていると神奈川県認証になってきます。この文章が真ん中に入ったことによって相当変わってきました。もう内閣府としてはNPO法人の認証というお仕事をしませんよと、国税庁もしませんよと。みなさん市、町、それから県でしっかりと動いてくださいという、地方分権の流れの一環だと思っていただければよろしいかと思います。

 

改正点 
・活動分野が今まで17でしたが、20になります。これによって今、日本中でNPO関係者が議論をしているのが、20番目がここにあることと、19番目がここにあること、これが議論になっています。19番目というのは以前の17番目ということで「前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動」ということで、な中間支援と言われるような団体はここにチェックをしているんですね。「前各号」と書いてあるので、19番目にあるということは20番目が支援できないということになり、これが今、議論していることです。20番目「前各号で掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動」は良くわからないわけですが、これは市町村とか認証を行う県・市が勝手に決められるので、今は三重県でしたか、この20分野にないもの、例えば男女共同はあるんですが、共生社会云々というのはないんですね。市・町・県で勝手に決められるものが実はあるのですが、だけれども中間支援の団体としてはそこは応援できないんじゃないか、というような議論が起こっています。それをどうするかというのも、修正をかけている途中です。最初は12分類、次に17分類になり、必ずラストに「前各号で掲げる」とあったのであまりそういう議論にならなかったのですが、今回そういうことになってしまったので議論があります。

 

・実務をされた方はご存知のように、いったん申請を出すと補正ができなかったのが、縦覧期間中の補正ということで多少の補正ができるようになりました。

 

・「社員総会の決議の省略」
社員総会は命ですと私は教えられ、総会に関しては省略なんてありえないと言われたのですが、今後は書面上でYesという返事をいただくことによって、それは社員総会をしなくても大丈夫ですという緩い状態になりました。

 

・「定款変更の届出のみで足りる事項の拡大」
定款変更は認証と同じくらい手間がかかると言われるんですね。ところが大分、届出だけで済むものが増えましたので、そこに関してはずいぶん良くなったかなと思いますし、NPO法人の定款をわりと変えやすくなりました。変えやすくなったのは良くないのでないかと思う方もいらっしゃると思いますが、定款というのは社則ですよね、つまり定款によって団体は動いているんです。ですから定款が実態と合わなくなったら変えなきゃいけない。先ほど理事の人数を変えた団体さんがいらっしゃいました。理事は3人から10人と決めていたけど事業が増えてきたので理事を増やしたい。実は内緒ですけどうちは12人いるんですとか、それはだめなんですね。きちんと12人と記載しなくてはいけないし、事業内容も実は書いてないことやっちゃってるんです、というのはナシなんですね。そうしないとみなさんの共感が得られない。NPOは情報を公開してやっていることをみなさんに理解していただいて、次の会員さんを増やさないといけないですから、うそをついてはいけないですね。ですからみなさんの定款を1年に1回、2年に1回変えても、任意団体に至っては3日に1回変えろという先生もいらっしゃるくらいで、どんどんどんどん、自分たちに合ったものにしていかないとだめだということになります。

 

・「理事の代表権の制限及び、関する登記」

みなさん定款のなかに「理事長は」という文言があるのを知っていますか。会を代表すると書いてありますよね。でも登記は、NPOは全員代表権を持っていいということで、おそらく理事全員の登記をされていると思うんですよね。定款と合っていないんですものね。だから今回そこを変えてしまったんです、法律が。でもNPOというのは全員代表権を持つということで成り立っている法律だったものですから、そこはいろいろ意見を言いましたがだめでしたので、変えなきゃいけないということになります。

 

・「認証後未登記団体の認証の取り消し」
認証しても2週間以内に登記をしなければいけないと決まっているのですが登記をしない団体もたまにあります。ルールに則ってやっていただかないところは認証を取り消すというふうになりました。ちょっと前まで産めよ増やせよという状況がありましたが、その辺はもうちょっと整理をしてちゃんと動いているところを、しっかりとしてNPO法人として認めましょうということになりました。

 

・「収支計算書等に係る改正」
活動報告書、活動計算書という名前に変わりまして、その辺も定款にはすでに「収支計算書」と書いてあるので、文言を修正しなければなりません。これに関しては会計基準というものが2年くらい前にできまして、法的にこれを変えろとは言っていないんですね。できうる限り努力をしてくださいとしか書いてないです。でも法律の方は勝手に「活動計算書」というように文言を変えてしまっているので、ここ3年くらいでスライドをしていかないと、NPOとしての報告書の並びとしてはあまりよろしくないですねと言われてしまう可能性が出てきていますので、そこの部分もぜひ努力をしていただきたいと思っています。

 

 

(手続きが変わるもの)

・「活動分野」
4「観光の振興を図る活動」、5「農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動」が間に入ってきています。ということは号数が変わったんですね。どういうことかというと、定款の中に号数で記載している団体はそれを変えなければいけなくなったんです。ただし、神奈川県のモデル定款には号数を出しているものはないんですね。ほとんどの団体さんがモデル定款を使用していますので、該当する団体はほとんどありませんでした。

 

・「所轄庁の変更」
2以上の都道府県に事務所を置く法人は報告書を出す場所は内閣府だったのですが、平成24年4月1日からは、主たる事務所の所在地の都道府県知事に変更となりました。1つの都道府県内に事務所を置く団体は今までと変わりありません。地方主権施策推進の1つでもあり、事前相談や認証・認定事務が行政庁に降りてきたので、それと整合性を合わせ、なおかつ一元的にした方がみなさんが足回りも良くなるでしょうということでこういうことになりました、ということです。

 

・「縦覧中の補正」
縦覧期間が1ヵ月を経過するまでの間は、明確な誤りがあった場合は直すことができます。

 

・「社員総会の決議の省略」
書面又は電磁的記録でもいいですよ、ということで、これが定款に変更しないとできません。

 

・「定款変更の届出のみで足りる事項の拡大」
事務所の所在地、資産に関する事項、報告の方法以外は、3〜4か月かかりましたが、今回は役員の定数は届出で済みます。会計に関する事項、事業年度など、以前ならば3〜4か月かかる手続きになりましたが、これからはそういうこともなくなるということですね。

 

・「以下に掲げる事項の定款の変更は所轄庁の認証が必要」
これはしっかりと3〜4か月かけてしっかりと変えてほしいというものがこれだけあります。ですのでここは変えようと思ったら、届出だけではなくて変更認証をかけていただくということになります。
  ○団体の目的
  ○名称
  ○特定非営利活動の種類
  ○事務所の所在地 

 

・「理事の代表権の制限」
今までは理事全員を登記していたが、今回からは代表権を持つ理事だけを登記することになりました。これまで公益法人で全員登記でした。社会福祉法人や財団法人、社団法人は理事長の登記なんです。今回は整合性を取ったという改正になります。法的な位置づけをしっかりするために、NPO法人は組合等の登記の基準というのを使っていましたので、なのでこういうことが起こりました。代表権を1人にするのか、全員にするのか、団体の方で決めてくださいということにしましたので、団体で3人くらいに代表権を持たせたいとか、1人にしたいとか、いろいろでした。手続きの流れは面倒です。まず定款を確認してください。「代表権は代表理事1人」とあります。次に登記を確認してください。理事全員登記がしてあるはずです。監事以外は全員登記してあります。まず登記所へ行かなければいけない。どういうことかというと、平成24年4月1日から法律が変わってしまったので、その定款を使っている団体は10月1日までに整合性のとれた登記に変えてくださいといわれています。20万円かかると書いてありますが、これも実際には微妙なところですし、取られない可能性もありますけれども、これは早めにしてください。 


できるだけ法律を見ながら、それに則る形で登記申請書を作ったりしていただいて、とりあえず持っていき「足りないのは何ですか」と聞いてください。そうすると相談コーナーがありますので教えてくれます。登記所は毎年行かなきゃいけません。資産の変更があるので毎年です。指定や認定が始まり、あれに「法的に違反をしていないこと」という項目が1か所あります。資産の変更を途中で抜けているところが、法的な処置をしていないことになるので大変なことになります。解散も、ちゃんと登記をしていないと、遡って遡って、登記をしなければならなくなるので、これを機に毎年登記に行く、法務局に行く、登記所に行くというくせをつけていただけたらと思っています。

 

・「認証後未登記団体の認証取消」
2週間以内に登記をしなければいけないと決まっているのに、6ヶ月を経過しても登記をしないと、認証の取り消しになります。動いている団体にとっては良いことです。もう動いていないところは店じまいをしてほしいです。

法人が作成する計算書類のうち、収支計算書を活動計算書に改め、設立申請時に作成する収支予算書を活動予算書に改正してくださいということになりました。収支計算書は資金の増減そのものだけを記載するものです。ところが活動計算書は正味財産の増減を原因とした表記で、活動に関わる事業の実績そのものが記載される。なんでこんなことにしたか。新しい会計基準の本を読んでいる方もいらっしゃると思いますが、つまりNPOを並べた時に、書類を並べた時にバラバラで、並べて見ることができない。先日、数百万円くらいの大きめの助成金の審査をしたのですが、それぞれ活動報告書自体はいいとしても、会計書類がみんなやり方がバラバラで、判断がしにくい。実際お金をちゃんと使えているのかどうなのかというのがものすごく見にくく、財産を持っているのか、正味財産があるのかないのか、借金まみれなのか、その辺が全然わからないです。そうなると、団体としての立ち位置を理解するのが、企業会計にしろというわけではないのですが、複式簿記にしていただいて、しっかりとした正味財産の増減を出していただかないと、これは並べることができないです。なんでこんなことをしなければいけないかというと、活動計算書というのは誰のために作っているかという話になります。団体のために作っていて総会にかかると思うのですが、それは公開をするための資料なんです。NPO法人は情報を公開して信頼を得て共感をもらう団体なんですね。情報公開をするためには、ある程度ルールに則った同じようなものが出てこない限り市民がジャッジできない。ですので、できれば同じようなフォーマットで出すべきでしょうというのが最近の考え方ですが、本当は1998年に出た時から、「情報公開をもって信頼を得る」と書いてあるのは、特定非営利活動促進法以外の法律では、日本にはありません。NPO法人の唯一の、私たちの誇りは情報を公開してこそ、ですから、Webに公開するのもそうですが、事務所に置いてくださいというのも必ず書いてありますよね。最低でも3年分くらいは主たる事務所に、どなたが来ても見せられる資料を置いてくださいというのが原則になっています。活動計算書として報告書を作っていくように、みなさんの団体も、徐々にしていただけたらいいかなと思います。

 

・NPO法人は解散する時にお金がかかります。NPOは解散することが目的です。「目的」と書いてある第3条がありますよね。あれが達成できたらNPOは解散するんです。ですのでわりと潔い団体なのですが、みなさんずっとやりたくなって、目的が達成されてももうちょっとやろうと、それが継続的な支援につながるということもありますので。でもNPOはもともと自分たちの思いが達成できたら解散しようと、だから残余財産を自分たちではもらえないんです。もっとほかに「解決したい」という団体がいたらそこに譲りましょうという法律になっています。

法務局における登記手続きでNPOがやらなくてはならないのは、設立登記は認証が下りたら2週間以内にしてください、移転したら変更後2週間以内にしてください、定款の変更認証に係る通知の受領から2週間以内、資産総額の変更は事業年度終了後2ヵ月以内です。
役員変更の登記は解散から2週間以内です。

 

報告書そのものを出していないNPOはたくさんあります。神奈川県には4,000のNPOがあるのですが、協働推進課というところにファイルが並んでいて、時々、団体さんをどこかに紹介したり、団体さんと組んで何かを行いたいと思って調べに行ったりしますが、「今年もまた出てない」というところがあります。今日、この講座を受けたみなさんは、できれば書類は出してください。出すことに意義があると思って出してください、そしてそれを事務所に置いてください。2〜3か月前に、帝国データバンクさんが、うちの団体のデータを調べに来ました。つまり、NPO法人ももう国を支える企業の一つとしてそろそろ認められてきているので、データバンクさんが調べ始めたということです。会社四季報ならぬ「NPO四季報」が出るかもしれません、わかりませんよ、10年〜20年かかるかもしれませんが。そんな状態にもしなったときに、やっぱり情報はちゃんと出しておくべきだと思っていますので、ぜひ、ちょっとだけ頑張ってください。登記を怠ると裁判所より代表理事への過料支払通知が届きます(が、見たことありません)。

 

今NPOというセクターが、少しずつ気持ちが浮上してきて、そこに任せたらなにか面白いことがあるかなと思っています。「○○エージェンシー」さん、業界の3番手、4番手くらいのエージェンシーさんが時々ご相談にみえたりします。どういうことかというと、企業が今、少しずつ社会的責任ということで、自分たちも社会的になにか良いことをしたい、でもなにしていいかわからないので、NPOさんに教えてもらいたいという方がじわじわと増えてきています。逆に企業と組んで、NPOと組んでやりたいというところも徐々に増えています。ですので、そういう時に胸を張って、自分たちはこれができますということを、自分たちのネタとして発表できるようにしておいたほうが何かとお得かなと、思っています。自分たちの団体の売り、ネタ、強みをすぐに説明でできるような状況にするためには、法律に則って、ルールに則った部分は押さえておくというのがお約束、と思います。

 

 イメージ イメージ

 

 

 

 

 

▲このページの一番上へ