大和市民活動センター

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★第44回連続共育セミナー

「五味さんのゴミひろい」
  〜引地川の清流を取り戻す チャレンジな活動〜

 

2011年8月20日(土)10:00〜12:00に行われた連続共育セミナーの内容(概要)をお伝えします。

 

お話:五味尚生さん(引地川水とみどりの会事務局長)

 

内容

「泉の森」を水源とする「引地川」は清流を戻しつつも、川に落ちているゴミはいつもいっぱいです。「引地川水とみどりの会」の清掃活動を通して、何故ゴミがこんなにあるのか、ゴミが落ちているとどうなるのか、事務局長の五味さんからお話をお聞きしました。

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第 1 部 引地川について

(引地川概要)

大和市上草柳にある「泉の森」を水源地とする全長 21.3km の 2 級河川です。森にある大池、小池の底から水が湧き出して川となりますが、水源地より 4.46km は大和市が、そこから河口の相模湾までは神奈川県が管理しています。池の周りの樹林は水源涵養林として自然のダムのような役割を果たしています。非常時には飲料水として利用されます。

 

(引地川あれこれ)

●読み方…「ひきちがわ」?「ひきじがわ」?正式には「ひきじがわ」と読むそうですが、大和では「ひきちがわ」、藤沢では「ひきじがわ」と言う人が多いそうです。看板でも「ひきじがわ」となったり「ひきちがわ」となったりしているので、自分の好きな方で呼びましょう。

●昭和 22 年当時の航空写真を見ると、泉の森の周りには住宅はありませんでした。昔は洪水も多かったため「しらかしの池(上草柳調整池)」を作りましたが、その後どんどん周りが宅地化されたため水が枯れてきました。

 

(泉の森水源地から河口へ)

しらかしの池の横には南林間雨水幹線があります。大和市南林間、中央林間で降った雨の半分はここに流れ込みます(あとの半分は境川に流れます)。しらかしの池の出口は引地川があふれない程度に小さく絞ってあり、ここは越流堤になっています。

東名高速道路を越えたところはかわせみの撮影スポットになっています。

ふれあい広場のあたりは日本で初めてコンクリートの三面護岸をはがし、まっすぐだったところを蛇行させて自然護岸に戻したところです。藁のシートを敷いたところに柳の挿し木をして作りました。自然護岸は崩れてくるので、そうすると改めて護岸を治します。

この先はコンクリート護岸になります。

相鉄線を越えて横浜銀行グラウンドと厚木基地のあたりにはコカナダモが生えています。

厚木街道の近くでは環境省準絶滅危惧種に指定されている長柄実栗(ナガエミクリ)という草が生えています。神奈川県では箱根湿性花園とここでしか見られません。昨年に比べて 3 分の 1 になってしまいました。

草柳 2 丁目に入ると両側が住宅になり、最近川の幅を拡張しました。

引地台公園の近くには昭和 18 年竣工のトンネルがありましたが、狭くて川があふれるため工事をしました。

御嶽橋(おんたけばし)は、毎年 7 月に「引地川かわくだり実行委員会」が開催している「引地川かわくだり」のスタート地点です。ここから川に入り、ふれあい広場に向かって掃除をしながら川を上っていきます。

中原街道までは大和市が、その先の千本桜のあたりは神奈川県が管理をしています。

福田には川の底に農業用の取水口「若宮堰」があります。昔は魚が川を遡上できない構造でしたが、平成 14 年に川底から取水する今の形に変わりました。

下福田小学校

東海道新幹線のあたりは現在工事中です。

藤沢市長後

長後堰はまだ旧来型の農業用取水口ですが、魚が遡上できるようにするために現在工事中です。

六会橋の手前で綾瀬市から流れてくる蓼川(たてかわ)が合流します。

湘南台の高層マンション

六会日大前から流れてくる不動川が合流します。

石川堰は転倒ゲート式から生き物が遡上できるようにラバーダム式に改修しています。

円行から流れ込む一色川が合流します。

引地川親水公園。引地川親水公園に組み込まれた大庭(おおば)遊水地は平成 6 年に引地川の洪水防止のために整備されました。遊水地があふれると隣のサッカーコートに水が貯まるようになっています。

鵠沼には引地川除塵機(ゴミ取りフィルター)が設置されています。フロートの間にメッシュがはってありますが、網目が大きいので小さなゴミは通ってしまいます。増水するとはずれて流れていくようになっています。

防風林

河口近くの鵠沼橋は平成 2 年の台風の時の大雨で流され、翌々年に新しく架けられました。

河口  川幅は 75m あります。江の島が見えます。

 


第 2 部 引地川水とみどりの会の活動について

 

(引地川水とみどりの会とは)

引地川にはいろいろな活動団体がありますが、「引地川水とみどりの会」はひたすらゴミを拾う団体です。 2003 年 5 月 10 日に数名でゴミを拾う活動を始め、翌年 5 月 29 日に団体を設立しました。メンバーは 41 名(男性 29  女性 12 )です。 2008 年 8 月 9 日にはこどもたちが活動する「こどもエコクラブ」を作りました(こどもエコクラブは環境省が平成 7 年から実施している環境活動のクラブ事業です。平成 23 年からは(財)日本環境協会が引き継いで実施しており、現在は全国で 3090 クラブ、約 14 万人のこどもたちが参加しています。大和市では 4 つの「こどもエコクラブ」が活動しています)。

 

(川そうじについて)

大和市上草柳〜草柳までの 2.4km の区間の引地川の清掃を行います。 3 〜 12 月に 10 〜 12 回活動します。第 83 回の清掃を終えた現在は、延べ 71.2km を川の中を歩いて掃除をしたことになります。東海道新幹線で計算しますと、東京を出発して小田原の 4km 手前までの距離です。

1 回の清掃活動には 10 〜 12 名、多い時は 20 名が参加します。川に入り、水が濁ると川底が見えないため上流に向かって歩きながらゴミを拾います。拾ったゴミは水が抜けるようにかごや網に入れていきます。ゴミがいっぱいになったら上からロープで引き上げ、上ではその場でゴミを分別します。川の上を担当する人はなかなか大変です。川掃除が終了したらリヤカーにゴミをのせて集合場所(草柳自治会館)まで運び、洗って後片付けをしておしまいです。ゴミはあとで市の土木管理課が回収してくれます。

 

(川に落ちているゴミ)

ゴミにはこのようなものがあります。

ビン・缶・ペットボトル・ビニール袋・お菓子の袋・たばこの吸い殻・自転車・バイク・電化製品・布団・マットレス・シート・自転車や車のタイヤ・建築廃材・金庫・雑誌

 

資源ゴミが多いのですが泥を落とすのは大変なので、資源ゴミとするのは難しいです。最近は損傷の少ないものはリサイクルに出すようにしています。

自転車は年に数回は拾う定番のゴミです。時間が経つと川底に埋まってしまうので、掘り出すのは本当に大変です。自転車のペダルが落ちていると思ったら、自転車そのものが埋まっていたことがあります。バイクのハンドルだけ川底から出ていたということもありました。車のナンバープレートも以前はよく拾いました。警察へ届けます。トイレの便器もこれまでに 2 個ほど拾いました。

 

(ゴミはどこから来る?)

・川に直接捨てられる(空き缶・ビン・ペットボトル・犬のふん)

・風で飛んでくる(スーパーのレジ袋・お菓子の袋・ハンガーにかけられた洗濯物)

・雨水と一緒に流されてくる(雨水は排水溝から、下水処理場を通らずに直接川に流されているため、街が汚れていると川も汚れます。

 

(川に流されてゴミはどこへ?)

・海にあるゴミの 70 %は川から流れてきたものと言われています。川が汚れると海も汚れます。細かく砕かれたゴミは海の生物が食べものと間違えて食べてしまいます。そして胃袋が消化できないゴミでいっぱいになり死にます。

 

(川や海を汚さないために)

・リサイクルできるものはリサイクルしよう

・ポイ捨ては絶対にしない

 

(その他の活動)

<総合学習>

・福田小学校 6 年生:引地川クリーン作戦( 2005 年〜)

・引地台中学校 1 年生:引地川清掃( 2005 年)

<グループ単位>

・引地台小学校:引地川について( 2006 年)

・湘南白百合学園中学 1 年生:ボランティア活動について( 2006 年)

<地域>

・引地川かわくだりイベント協力

・引地川・下福田こどもの水辺競技会イベント協力

・引地川流域イベントサポート協力

<その他>

・卒業論文のテーマとして大学生が活動参加( 2007 年〜) 

(法政大学・東京農業大学・慶応大学ほか)

・大和市環境フェア、大和市民活動センター“カッコーフェスタ”に参加

・県央治水フォーラム、境川・引地川水系水質浄化等推進協議会に参加

・県央フォーラム「身近な環境を考える〜環境にやさしい生活を目指して〜」等に講師派遣

 

(安全に活動するために)

安全に活動するために、活動のシーズンが始まる前の川の調査や、保険加入、活動時の服装などの徹底、活動中のメンバーの挙動や顔色への注意、スタッフの安全確認の徹底を行っています。

 

(治水と生物)

昭和 50 年、国が全国にある 3 万河川の中から 18 の川を特定治水対策河川と定め、引地川もそのうちの 1 つだったため、治水工事が早くから進みました。危険水位は 60cm なので全体的には浅い川です。 2000 年代初め頃には、 1 時間に 50 mm の雨が降るのは 5 年に 1 度と言われていました。それが今では年に 2 〜 3 回はそのような雨が降ります。

 

引地川で活動するグループの清掃活動によって川はずいぶんきれいになってきて、魚や昆虫、植物などかつて生息していた生物が戻ってきました。日本で最初にコンクリート護岸をはがして自然護岸をとり戻した引地川で、神奈川県でも千本桜のところに下に降りられる階段を数年前に作り、自然と親しむ環境の整備が進められています。清流と自然を取り戻すことと、水害を防ぐこと、現在はまだ生物多様性を考えた治水の決定版はありません。

 

FM やまと「大和市民活動センターだより やまとっこ☆みつけた」出演記録もご覧ください。

2008 年 12 月 23 日(こどもエコクラブ)

2009 年 8 月 4 日(こどもエコクラブ)

2009 年 12 月 1 日(引地川水とみどりの会)

2010 年 8 月 3 日(こどもエコクラブ)

2011 年 5 月 3 日(こどもエコクラブ)

 

 

 

 

 イメージ

 

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