★第50回連続共育セミナー
「NPOで働くということ」PART-2
〜感じているモヤモヤを なくしてスッキリ!〜
2012年2月23日(木)18:00〜20:00に行われた連続共育セミナーの内容(概要)をお伝えします。
お話:杉下由輝さん(さがみの国大和フィルムコミッション副会長)
映画やドラマを通しての地元の紹介、町おこし!「フィルムコミッション」(FC)を立ち上げ、現在「さがみの国大和フィルムコミッション」の リーダーとして大和市のPRに大忙し。普段は、桜ヶ丘ボウルで勤務しているにも関わらず、他にもNPO始め、多くの市民活動でも 持ち前のフットワークで大活躍。年末は福島県郡山市で富岡町の仮設住宅でライトアップイベントを行い、3月27日(火)〜29日(木)には 被災地の人たち数十名と藤沢・大和で交流しようと企画しています。杉下さんの目を通すと「町が活気づいてくる」そうです。
内容
(NPOで働くとは?)
「働く」ということには、「継続性」ということも含まれるのではないでしょうか。交通費、その他、小さなお金の負担でも続けていくと結構かかってしまい、それでは継続が難しくなります。NPOの活動を継続するためには、NPOで働いて生活していけるようになること、そのためにきちんと収益を上げていくことも大事です。会社の営利性とは得た利益を構成員に分配することを意味します。「NPO=非営利組織」の意味は、利益を分配してはいけないということです。つまり「儲けていいが、分配してはいけない」ということです。
民間企業ではほとんど全ての点において合格点でも、たった1つのミスがあれば、お客さんから「0点」を付けられます。だからミスは許されません。NPOはどうでしょうか?NPOも同じなのです。「1つのミスで0点になってしまう」という意識を持つことで変わっていきます。
(目線を変えよう)
企業は広告や宣伝にお金をかけます。知ってもらえなければ物やサービスを買ってもらえないからです。少しでも目に留まるように工夫を凝らしています。広告や宣伝は企業が存続するための死活問題なのです。NPOもイベントなどのチラシを作りますが、作ってどこかへ置いてきただけで満足してしまっていないでしょうか?伝えたい人、届けたい人に届くような広報の仕方をしなければ意味がありません。自己満足の「自分目線」から、「相手目線」に変えて工夫してみましょう。「相手目線」に立って地域のニーズを考えてみましょう。NPOも「相手目線を、いかに、どこまでできるか」が大事です。
(色あせないサービス)
ディズニーランドは日本で一番リピート率の高い場所です。アトラクションのスタッフは一日に何度も何度も同じセリフを繰り返しますが、飽きている様子はありません。いつでも新鮮な印象です。常に同じ、色あせないサービスがあるから何度行っても楽しいのです。NPOも同じです。「疲れているから」などと言い訳して1回でもいいかげんであってはいけません。
本当にその人が困っているときに一歩を踏み出せるのがNPOや市民活動、ボランティアではないでしょうか。時にルールを破ることも大切です。しかし、なんでもかんでも破っていては困りますから、そのルールを破る線引きは難しいものです。また、「相談を受けない」ことが相手の幸せにつながる場合もあります。
(スピード感)
NPOや市民活動は全体的に「ゆっくり」やっています。よく利用されているオフィス用品の通販などで、注文の商品が本当にすぐに届くのはなぜでしょう?お客さんの「すぐに欲しい」という気持ちに応えているのです。問い合わせについての返答が「NO」だった場合でも、すぐに返事をすることで相手に誠意が伝わります。「うちはNPOだから…」と言い訳してはいけません。万が一失敗があったとしても、すぐに誠意ある行動が取れれば許される場合もあるのです。
会議も何時間もダラダラやるのではなく効率性を上げること、そういう部分のスピード感も大切です。「若者の参加率を上げるには」と何時間も会議をしている団体には若者は来ません。
伝えたい内容は3分で伝える練習をしましょう。長く話していても、聞いている方は忘れてしまいます。
(“価値組”を目指す)
企業は“勝ち組”を目指して活動しています。NPOは付加“価値”があるような活動をすると人が集まってきます。利益を分配できないNPOではスタッフにボーナスは出ませんが、利用していただいた方の笑顔がボーナスにあたるかもしれません。それがNPOの価値感かもしれません。
(終わりに)
今日はNPOの仕事に従事する人の視点でお話ししました。「目線を変える」のにお金はかかりませんから、ぜひやってみてください。