大和市民活動センター


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★第68回連続共育セミナー

“気づき”“出会い”から“新たな活動”を! 〜まちづくりワークショップ(3回シリーズ)

 第2回 アイディア検討〜OTM法(累乗的対話手法)

 

広報用チラシ(PDF)

2015年12月13日(土)13:30〜16:30に行われた連続共育セミナーの内容(概要)をお伝えします。

 

ファシリテーター:沼田真一さん (ソーシャル・プランナー)

 

2回目の今回は、3つの活動事例をヒントにして 「2人→4人→8人」と累乗的に対話を広げ まちづくりのきっかけ・アイディアを探りました。


◆事例紹介
1. 「トイレ」と「龍」から 私たちの活動は広がった。
   大和市の観光資源を発掘・企画する会 上田康史さん


2. 「レコード」と「コーヒー」が 人と地域をつなげた。
    今宿地域ケアプラザ(横浜市旭区) 地域交流コーディネーター 真鍋敦さん


3.「映画誘致」と「プロレス」が 街を元気にした。      
    社会福祉法人光友会(藤沢市) 理事 杉下由輝さん


◆ワークショップ(2人→4人→8人と対話を広げる沼田さんオリジナルのOTM法を用いてアイディアを検討)

 

 

内容

第1部 事例紹介とOTM法

1.【「トイレ」と「龍」から 私たちの活動は広がった】 
   大和市の観光資源を発掘・企画する会  上田康史さん

 

定年退職後、ITの勉強を始めました。その卒業作品として、鎌倉市で観光客などが利用できるトイレを調べてマッピングし、「鎌倉市トイレマップ」としてホームページで公開しました。洋式、和式、温水洗浄便座、多機能、ベビーチェア、ベビーベッドの数も網羅してあります。鎌倉で寺社巡りをしている時に、トイレが見つけられなかったことがきっかけです。 その後、鎌倉市にある個性豊かな龍の彫り物がある8つの寺社を訪ねる「鎌倉・江の島八龍めぐり」という周遊観光プランを作りました。

 

次は大和市内のトイレマップを作るため2014年夏から調査を行い、「大和市トイレマップ」を公開しました。2015年は「大和十龍めぐり」というコースを作りました。また、「大和十龍めぐり」の御朱印帳を作るワークショップや、寺社の装飾彫刻を撮影している若林純さん(写真家)の講演会も開催しました。大山、海老名でも「龍めぐり」のコースを作っています。広告畑で働いてきたので、Webクリエイター、グラフィック、ライター、カメラマンなどの知人がいて、仕事の合間にボランティアで手伝ってもらっていますが、大きく展開するためにはどうしても事業化が必要でした。9月に相模大野のユニコムプラザに事務所を持ち、2016年に「鎌倉・江の島龍めぐり」が近畿日本ツーリストのツアーになるところまできました。手伝ってもらった知人に少しはお礼ができるかなと思い、嬉しいです。

 

2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、文化庁は2016年秋から文化プログラム開催をスタートします。史上最大規模の20万件の「文化力プロジェクト(仮称)」を全国津々浦々で開催する構想です。「龍めぐり」をホームページで見たという東京芸術大学の方からこの文化庁のプログラムに一緒に参加したいと連絡がありました。ぜひ加わり、事業を飛躍させたいと思っています。

 

 

2.【「レコード」と「コーヒー」が 人と地域をつなげた】 
   今宿地域ケアプラザ(横浜市旭区) 地域交流コーディネーター 真鍋敦さん

 

横浜市の地域ケアプラザは、「横浜市地域ケアプラザ条例」に基づき、市民に「福祉サービス、保健サービス等を身近な場所で総合的に提供するため」に設置された施設です。現在は横浜市全体で132館あり、約140館設置される予定です。赤ちゃんから高齢者までが元気に活動している施設で、この形態は横浜市にしかありません。

 

東急二俣川ニュータウンにある、今宿地域ケアプラザ(旭区)では毎月第2水曜日に「くつろぎカフェ・音楽喫茶」を開き、好評です。このような施設では利用者の8〜9割が女性なのですが、ここでは男性がたくさん来ています。来たことがない人、特に男性が来やすいような魅力のある事業にしていくことを目指し、このカフェを企画しました。このニュータウンの地域では安かろう、悪かろうでは男性は集まらないと思い、ここから脱却し、ブランド力をあげることにしました。まずコーヒーボランティア養成講座を開きました。養成講座を修了したみなさんにくつろぎカフェでサイフォン式コーヒーを淹れていただきました。ドリップ式のコーヒーもあります。今ではサイフォンコーヒー隊は25名になり、イベントなどにも呼ばれてコーヒーボランティアを行なって活躍しています。そして、このカフェではレコードの音楽をリクエストすることができます。レコードは希望ヶ丘とニュータウンで寄付を募り集めました。1000枚以上あるレコードから、聞きたいレコードを選び、エピソードと共にリクエストカードに記入します。

 

「今宿地域ケアプラザ」コーディネートのポイントは3点ありました。
(1) 団塊の世代以上の男性には、どういうものなら受け入れられるか
(2) 地域全体の生活レベルはどのようか(地域性を読む)
(3) できるだけ無料でテーブルなどを集める

裕福な人が住む地域性の中で、団塊の世代以上の男性に受け入れられるような企画は何かを模索し、杉並区の「松渓ふれあいの家」と、代官山ツタヤを視察し、「(サイフォン式)コーヒー」と「レコード」のカフェという事業の方向性を決めました。地域性と内容から利用料も設定することにしました。

スタートから1年、「ケアプラザまで遠くて行けない」という声が聞かれるようになりました。そこで5か所の公民館で月1回ずつ開催される「サロン散歩道」(地域ケアプラザ・地区社協連携事業)で、コーヒーボランティアさんがコーヒーを提供しています。「レコード」と「コーヒー」が人と地域をつないでいます。



3.【「映画誘致」と「プロレス」が 街を元気にした】      
   社会福祉法人光友会(藤沢市) 理事 杉下由輝さん

湘南藤沢フィルムコミッション、さがみの国大和フィルムコミッション、いせはらフィルムコミッションの設立に関わってきました。よく「イベントを企画したのに人が集まらない」「素晴らしい活動をしたのに輪が広がらない」ということを聞きますが、やれば良いというものではない!のです。「仕組みづくり」と「仕掛けづくり」は違います。簡単に言えば、おいしい料理があっても宣伝がなければ人は集まらない、ということです。

 

映画『北の国から』は大ヒットし、富良野は全国区の地名になりました。1つのドラマ・映画がヒットすると、人々はその舞台へ行って楽しみます。映画『ローマの休日』の「真実の口」のシーンを、どれだけの人がその場所へ出掛けて行き、真似て楽しんだでしょうか。10年ほど前の「冬ソナ現象」も同じです。韓国ドラマ『冬のソナタ』が日本でヒットし、中高年の女性がドラマに登場した場所を訪れました。映像の力を使って人を誘致する手法が世界的に広がっています。2014年に放送されたドラマ『昼顔』の最初のシーンは大和市の泉の森で撮影されました。台湾でも放送され、台湾から泉の森を訪れる人がいます。また、ドラマには地元の人もエキストラで出ています。

 

富士宮市のフィルムコミッション立ち上げの時、アドバイザーとして支援しました。この時に、ロケ弁として地元の富士宮焼きそばを出してもらったらどうかとアドバイスをしました。ここから富士宮焼きそばが評判となり、テレビ局から取材がバンバン来るようになり、「B級グルメ」「地産地消」が全国に広がっていきました。「フィルムコミッション」と「富士宮焼きそば」は仕組みづくりです。それをロケ弁に出すようにするのが仕掛けづくりです。

 

2014年2月11日、大和スポーツセンターで「全日本プロレス チャリティー大和大会 〜すわまちおこしVol.3〜」が開催されました。この大会は藤沢市出身のプロレスラー諏訪魔選手が中心になり、「プロレスを通じた町おこし」として、茅ヶ崎市、藤沢市に続いて、大和市を会場として企画されました。大会応援団長のヤマトン(大和市イベントキャラクター)、甘利明経済再生担当相もリングに登場し、満員の会場は盛り上がりました。
(チャリティー大会として、チケットとグッズの売り上げの一部が大和市社会福祉協議会に寄付されています。)

大成功した「すわまちおこし」ですが、その理由はなんでしょうか。イベントや企画など、何かを行うためにはお金が必要ですし、お金は持ち出しでは続きません。協賛金を集める場合、例えば大和でイベントを行う時には大和の人だけに協力の呼びかけをしていませんか?もしかしたら、近隣市にも呼びかけをしたら協力してくれる人、会社は出てくるかもしれません。このチャリティープロレスには大阪から22名の方が来場していました。思い込みを捨てること(“カマスの法則”)、そういう発見をしているところは成長します。思い込みを捨てるには第3者の意見を取り入れることが重要です。また、まちづくりも「いいことしてるんだから」と言っていても人は来ません。「いいことやってりゃいい」はダメ。自分の良さばかりアピールしていても誰も来ないのです。自分目線ではダメです(“マッサージチェアの法則”)。

 

【OTM法】
3つの事例紹介の後、2人組になり、事例についての振り返りをしました。気づいたことや発見を2人で話し、思ったことや考えたことを深めていきます。疑問に思ったことも分かち合います。次に、2人組を2つ合わせて4人のグループをつくり、2人組の時に分かち合ったことを4人で共有し、4人で話し合います。さらに、4人のグループをを2つ合わせて8人のグループをつくり、分かち合いと話し合いをしながらまちづくりのきっかけとアイディアを探りました。最後に8人のグループから代表の1人がグループ内で話し合われた内容を発表しました。

 

第2部 OTM法

最初に、自分が新しくやってみたアイディアや活動を、それぞれA4サイズの画用紙に記入しました。活動を行っている人は、今やっている活動でもっと良くしたいこと、困っていること書きました。

次に、なるべく第1部で話していない人同士で2人組を作り、画用紙に記入したことをお互いに発表し合い、そこから思いついたことなどを話し合いました。 この後は第1部と同じように、4人グループ、8人グループと人数を増やしながら、活動のアイディアを出し合い、共有していきました。

 

 

(終わりに)

3つの事例紹介は、それぞれがアイディアに満ち、また、スピーカ―の方がエネルギーにあふれていることが共通した特長でした。また、人が「おもしろそう」「行ってみたい」と思わせるような工夫がなされていました。 OTM法では、考えやアイディアを分かち合いながら、より多くの人の考えを知り、意見も交換することができました。次回、第69回共育セミナ―では、参加者の提案によるテーマ(活動)を話し合います。



 

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