★第71回連続共育セミナー
自分サイズの箸と箸袋を作ろう!
2016年6月19日(日)13:30〜16:30に行われた連続共育セミナーの内容(概要)をお伝えします。
講師(箸作り) : 茂木義明さん、他(ハウスメンテ大和)
講師(箸袋作り): 長野富喜子さん
(環境カウンセラー・環境まちづくり市民の会サステイナブルあさひ代表)
参加費 : 900円(材料費込み)
第69回共育セミナー「“気づき”“出会い”から“新たな活動”を! 〜まちづくりワークショップ(第3回)」で提案のあった、箸と箸袋づくりの講座を開催しました。
内容
第1部 【箸作り】
(お箸の歴史)
箸作りを始める前に「お箸の歴史」についての説明がありました。
世界で最も古い箸は紀元前14〜11世紀頃、中国の殷の時代の出土品です。日本では飛鳥板葺宮遺跡から出土した箸が一番古いものとされています。竹をトングのように曲げたもので「竹折(たけおれ)」(箸)というものです。飛鳥時代、皇極天皇の頃ですが、この時代は貴族や僧侶でさえも手食いしていたと言われています。大和朝廷の頃、中国(隋)へ渡った遣隋使たちは宴会で箸を見て驚いたそうです。奈良時代には箸が普及していきました。
(箸文化)
・中国の箸は細く、先が細くなっている。
・箸だけで食事をするのは日本だけ、器を持ち上げるのも日本だけの特徴です。
(箸の種類)
・手元箸
・割り箸
・天削箸
・元禄箸
・利休箸・・・おもてなし用。
・丁六箸・・・短い、お弁当にぴったり。
・祝箸(両口箸)・・・ハレの日に使う。「折る(割る)」ことを嫌い最初から2本になっている。一方は神様が使う。名前を書いて神棚に祭る。
(自分サイズの箸・・・一咫半)
親指と人差し指を角度90度に開いた時、親指の先から人差し指の先を結んだ線の長さを一咫(ひとあた)と言います。一咫の1.5倍、つまり一咫半(ひとあたはん)の長さが、自分の手にぴったり合った「自分サイズの箸」 です。
(自分サイズの箸を作ろう!)
箸の材料は、大和ふれあいの森で枝打ちし、1年間寝かせた桜の木です。ほぼ箸の大きさに整えてあります。
定規で各々「一咫半」を測ってもらい、箸の長さを決めます。この後、鉋(かんな)をかけていきます。箸をセットする台座は箸の先の方が細くなるように作られていて、自分の箸を台座に置き、ガイドに従って鉋をかけるときれいに削ることができました。紙やすりで表面を滑らかにして、最後は亜麻油をつけた布で磨いて仕上げました。細かい部分などはハウスメンテ大和のみなさんが手助けしてくれました。
第2部 【箸袋づくり】
(マイ箸持っておしゃれにエコ!)
箸袋づくりの前に、マイ箸と「エコ」の関係についてお話がありました。
割りばしは一年間で何膳消費されているでしょう?248膳です。これは120uの一戸建て170万軒分の木材に該当し、その97%は中国から輸入されています。中国の森林資源を奪っていることにもなり、製造過程では漂白剤や防かび剤(二酸化硫黄)につけているので健康面でも気になるところです。日本には輪島塗、津軽塗、木曽塗、若狭塗など、伝統ある漆の塗り箸があります。「エコ」のため、伝統文化を守るため、塗り箸を持ち歩きましょう!
(箸袋づくり)
材料は約30p四方の着物の布。ひも、ビーズ(またはボタン)。表側の角の部分ににビーズを通したひもを縫い付ける。中表にして三角形に折り、返し口を7pほどあけて端を並縫いでぐるりと縫う。表に返す。底辺の部分を左右から折り、並縫い。この部分に箸を入れる。
(おわりに)
参加者全員が、自分の作った箸を自分の作った箸袋におさめることができました。箸作り講師の茂木さんをはじめとしたハウスメンテ大和メンバーのみなさん、箸袋講師の長谷川さんが参加者の間をまわり、丁寧に教えてくださいました。真剣に箸作りに挑んで初心者とは思えないほどきれいに作り上げた人、サッサッサ〜と器用に仕上げてしまう人、さまざまに楽しくセミナーに参加していただけたようでした。