★第52回連続共育セミナー
「『茶OH!』でチャオ!」
〜協働事業「ふくしの手 全員集合」って?〜
2012年5月17日(金)14:00〜16:00に行われた連続共育セミナーの内容(概要)をお伝えします。
お話:石原啓子さん(「ふくしの手 全員集合」の一員)
水色の「茶OH!」の旗を見たことありませんか?地域の絆、居場所づくり、おしゃべりサロンの開催場所です。孤独死防止を目的に活動しているフランスの「隣人祭り」をヒントに地域福祉のネットワーク作りをしています。
*「ふくしの手 全員集合」とは…地域福祉推進のため、市が提案をし、市民のみなさんと協働で進めている大和市の協働事業です。「共に支え合う地域福祉」実現のためには人材の発掘と育成が必要であるとの認識から、講演会や情報交換などを進めてきた中で、もっと地域で助け合える、支え合える、顔の見える関係づくりが実感できる事業展開を図ろうと模索した結果、フランスで孤独死を防ぐために開催されている「隣人祭り(りんじんまつり)」をヒントに、「茶OH !(チャオ)」が誕生しました。
内容
第1部
(はじめに)
「茶OH!(ちゃお)」についてどのようなイメージをお持ちですか?今、「今日は『茶OH!』を勉強しにきた」とみなさん仰いましたが、「茶OH!」は勉強する場じゃないんです(笑)。お茶飲みの延長上にあるものです。
協働事業「ふくしの手 全員集合」が始まり、6年かけて「茶OH!」ができました。昨年、東日本大震災があり、みなさんの中に、地域の絆ということについてふつふつとした気持ちが生まれていることを感じます。ただ、今はまだそれに火がついていない、一歩踏み出せていない状況でしょうか。
(茶OH!って?)
水色の「茶OH!」の旗が立っている時、そこには誰が来てもいいんです。好きな時に来てお茶を飲みながらみんなで話して、好きな時に帰ります。主催する人は旗を立てて「この日はお茶飲みできる日」という場を用意すること、これが茶OHです。茶OH!に決まりはありません。私は私のやり方、あなたはあなたのやり方でいいんです。ルールは宗教の勧誘や営利目的はだめということくらいです。
(実際に茶OH!を開いて)
2011年11月から、自宅で茶OH!を始めました。毎週水曜日の午後1時〜5時に水色の旗を立てています。誰も来ない日もありましたし、12〜13人来る日もあります。気負っていると続きませんから、誰も来ない日があってもいいんです。お茶は用意しますが、お菓子などはみなさんが持ってきてくれてたまってしまったので、この前みなさんで分けて持って帰ってもらいました。今は参加費はありませんが、来る人がかえって負担に感じるということもありますので、例えば募金箱のようなものを置いて1回100円にするとか、そのような方向でもいいのかなと思っているところです。
(茶OH!では何を話すの?)
茶OH!で話すことにテーマはありません。誰かが話し始めるとその話題で話したり、聞いたり、とりあえずホッとしてもらって、いっぱい笑って帰ってもらえればいいと思います。大それたことじゃないんです。
(来る人が固定化しませんか?)
居場所を作ると来る人が固定化します。それがご近所のつながりかなと思いますし、そうして親しくなっていくことも必要です。でも、そうすると新しい人が入りにくいので、たくさん居場所があれば、また自分で新しい場所を作ったり、そうなっていくといいと思います。茶OH!に来ている人と親しくなって、今度はその人のところへ行って茶OH!を開くというのが私の目論見です(笑)。行ってみて苦手な人がいたら他のところへ行ってみたり、茶OH!ってそのくらい気楽なんです。
(茶OH!の目指すもの)
元気で飛び回っている人は放っておけばいいんです(笑)。来られなくなった人のための場、それが茶OH!。茶OH!をやっていると、外にあまり出なくなった人や、最近雨戸が閉まっていることが多い家とか、そういうお話が入ってくるんですね。地域で、ご近所で、心配することができますから、そこが本当に大事なところです。心配だったらこちらから声かけしないと何も発展しないと考えています。心配だったらこちらから声かけちゃおうよ!今は高齢の方が多いですが、本当は障害を持っている人や小さいお子さんたちにも来てほしいです。近所に障害者の方の作業所がありますから、帰りにふらっと寄ってくれるといいなと思っています。来ない人、外に出にくい人のところには、その人の親しい人がそこへ行って茶OH!をすればいいです。
(茶OH!を開きたい人はどうすればいいですか)
協働事業「ふくしの手 全員集合」は平成24年度から3期目に入りました。茶OH!の水色の旗を22本用意しました。茶OH!に興味のある方、開きたい方は大和市役所健康福祉総務課にご連絡ください。相談事などはどこにつないだらいいかなど、主催の方にお知らせしておきたい情報もあります。第1回目は市の担当の方が行きます。
第2部
参加者で茶OH!を体験しました。それぞれ近くの人と自由に話したり、質問が出て石原さんが答えたり、そのうちにまた全員で話したり、意見を言い合ったり、冗談を言って笑ったり、楽しい時間となりました。
(終わりに)
茶OH! では「他の人にはしゃべれないけれど、ここではしゃべれる」と、深い絆ができてくる気がします。ただ、物と違って、目に見えないものを広げていくのは大変なことですね。
今度また協働事業で「ふくしの足」ができるそうです。そのうちに「ふくしの頭」とか、いろいろできてくるかもしれません。みなさん、
茶OH!は何かの実りを期待するものではないけれど、フランクで、自分流のものを作ってもいい、作れなかったら参加して広めてほしい…おわり!
*FMやまと「大和市民活動センターだより やまとっこ☆みつけた」2012年4月17日出演
「ふくしの手 全員集合」の概要はこちら